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CI企画 アイデンティティを語ろう Copyright ©2015 by Sou Wada |
◇登場人物 夢 二 「視覚芸術愛好会」会長 平成高校2年生 田 川 「視覚芸術愛好会」副会長 平成高校2年生 正 木 「視覚芸術愛好会」書記 平成高校2年生 夢二が主宰する「視覚芸術愛好会」が共通の理念を自覚し、その 具現化を図ろうとする過程を通じて、CI企画の立て方を学びま す。 |
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「自分達らしさ」のアピール ◆対外イメージ 夢二の高校ではサークルを活動実績や規模により、 「部」「同好会」「愛好会」とランク分けしている。 正 木 どうだった? 予算会議。 夢 二 ダメ。要求額の半分以下だった。愛好会の弱さだね。 田 川 うちのサークルって、結局のところ好きものの寄せ集め みたいに見られてるのよね。発表の場所を借りるのさえ 一苦労だしね。 ◆リクルーティング 夢 二 愛好会は不利なんだよ、こういう時にさ。早くメンバー を増やして、せめて同好会にでも昇格しなくちゃ。 正 木 そうか。もうちょっと外から見えるイメージを大切にし ていかないといけないのかな。 夢 二 そうだね。来年の新入会員獲得のこともあるし…。 ◆サークルの意義 田 川 何より、うちのポリシーが確立してないのは問題よね。 個人ごとの創作活動はうまくいくんだけど、共同制作に なると、いつも意見の対立とかでポシャっちゃう。 正 木 それは仕方がないんじゃない? みんな芸術家としての ポリシーがあるんだから。 田 川 だったら、サークルにする意味がないわ。個人じゃでき ない創作をするためにサークルをつくったんだから。 |
◆「視覚芸術愛好会」サークルCI企画案
☞ポイント ここでは主として、外部に対する「自分達らし |
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「知性」が足りない ◆設立時の理念 正 木 そもそも何をしようとして設立したんだっけ? 夢 二 いろんなジャンルで創作活動をしてる人間が集まって、 ガンガン共同制作をしようっていうのが、設立の時の理 念なんだけどね。 田 川 結局いつも喧嘩別れしちゃってるじゃない? ◆現状の問題点 夢 二 そうなんだよ。バカバカしい話だけど…。みんな、もう ちょっと賢くならなきゃいけないな。 田 川 「知性」が足りないのよね。 正 木 ちょっと違うだろ? ◆改革のポイント 田 川 違わないわよ。共同制作ができるっていうメリットで集 まったんじゃないの。個人としてのポリシーがあるのは 分かるけど、そこをもうちょっと抑えて…。 正 木 個人の芸術的ポリシーを押さえ込んじゃうのかい? 田 川 そうじゃなくて、共同制作をするために、自分のポリシ ーをどう生かしていくかって考えてほしいのよ。 夢 二 そうだな。それをメンバーに強調する必要があるな。 田 川 自分のポリシーをゴリ押しするんじゃなくて、それを生 かして、共同でより次元の高い創作活動ができるくらい の「知性」が必要だってこと。 |
3.CI導入で目指すもの
☞ポイント 改革のポイントを探り出して、目指すべきサー |
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志を表明する ◆スローガン 夢 二 よし、分かった。明快な標語をつくろう。 田 川 標語って、何だか堅苦しくない? 夢 二 じゃ、何て言うんだ。 田 川 サークルのポリシーとか…。 夢 二 いや、ポリシーはもうある。「もっともトータルな視覚 表現の創造を追求する」っていうのを、設立の時に決め ただろ。これを実行するための標語だよ。 田 川 スローガンのようなものね。 ◆内部アプローチ 正 木 ポリシーはあるけど、いつも議論段階でポシャることが 多いじゃないか。だからもっと実現性を高めていった方 がいいと思うなぁ。 夢 二 一貫したポリシーと、それを支える行動力か。 田 川 それと知性ね。みんなに「もっと知性的になろう」と呼 びかけましょうよ。 ◆外部アプローチ 正 木 外に対して「我々はこれから知性的になります」って宣 言してさ。 田 川 それじゃ「今はバカですけど」って言っているようなも のじゃない。 正 木 だから「それを行動に移せます」って一緒に言うんだよ。 |
4.CIの方向性
☞ポイント 言葉によって内部をまとめ、外部にイメージを |
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CIに目覚める ◆集団パワーの基盤 夢 二 じゃ、この辺で話を整理してみよう。このサークルのパ ワーをつくるベースは…。 正 木 個人のポリシーじゃないかな。まず、そのエネルギーが あることが前提だよ。 夢 二 そうだな。で、それを束にするわけだ。 田 川 そう。そうやって、目指すものをつくるんだから。 ◆究極の目標 正 木 目指すものは何? 田 川 つくりたいもの、っていうことでしょう? 夢 二 それだとしたら「もっともトータルな視覚表現」だよ。 田 川 で、それを実現するために、ありとあらゆる表現方法の 存在を許して、それを積極果敢に取り込んでいくってこ とね。 正 木 かっこいいよなぁ、何だか。 ◆CIの概念 夢 二 これを内部に徹底させるのも重要だけど、外部にもちゃ んとアピールしていかないとな。 田 川 いずれ他のサークルとか学校ともジョイントすることを 考えてるんでしょ。 正 木 ポスターか何かつくって貼り出す? 夢 二 いや、それだけじゃ能がない。もっと徹底的にやろう。 |
5.理念の構築
☞ポイント ここで初めて「CIを確立しよう」という概念 |
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考えるサークルへ ◆位置付けの見直し 夢 二 今までうちは創作サークルっていう位置付けだったけれ ど、これからは研究サークルということにしよう。 田 川 創作活動をやめちゃうの? 夢 二 いや、創作活動は個人のものを含めて、このサークルで は「研究発表」という位置付けにするんだ。 ◆戦略の統合 田 川 そうよね、創作に携わっていないメンバーもいることだ し。彼らの立場がなかったもんね。 正 木 オレとかな。 田 川 正木さん達は評論活動が中心だから。 夢 二 さしあたり、正木派は評論部門ってとこかな。 正 木 そうだな。作品の批評を通じて作者にフィードバックし ていくのが役目だから。 田 川 で、その評論活動の成果が次回の作品となって現われる ということね。 夢 二 共同研究のイメージがはっきりしてきたな。 田 川 私の周辺なんか立体創作派じゃない? 舞台芸術とかで 自分でステージに立つこともあるから、バックに信頼で きる批評機能があれば、自己確認もできる。 夢 二 批評機能か。だんだん高度になってきたな。 正 木 ま、そうして作者に貢献できるなら光栄だよ。 |
6.戦略の統合
☞ポイント 考えて活動するサークルへ脱皮するために、戦 |
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まるで再出発のように ◆CI導入の準備 夢 二 よし、これだけ大胆な改革を行なうんだから、名前なん かも全部変えたいね。今から原案を考えて、次の例会で みんなに投げかけてみよう。 ◆名称の変更 正 木 名前に「愛好会」って付いてるのが悔しいから、「視覚 芸術研究会」にしようよ。 夢 二 OK。いいと思う。生まれ変わるサークルの性格がはっ きりするからね。英語の名称なんかも付けちゃおうよ。 田 川 知性のイメージづくりね。 ◆会報の刷新 正 木 会報も変えようよ。このサークルの研究発表誌ってこと にして、オープンに読んでもらおう。もちろん内容も編 集方法も一新して。 夢 二 書店とかにも置かせてもらってさ。 田 川 自費出版専門の書店もあるしね。 正 木 今まで「視覚」っていう名前だったから、「VISUAL」の 略で「VIS」にしよう。 ◆構成員の改称 夢 二 会長とか書記、会計っていう呼び方も芸がないから変え ようよ。会長を代表研究員にするとかさ。 田 川 じゃ、会員の方は構成研究員にしましょう。 |
7.言語の統一
☞ポイント 戦略統合を実施するために名称改革を行ない、 |
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視覚的イメージの統一 ◆VIの確立 夢 二 シンボルマークとかが必要だな。カラーなんかもきちっ と決めて、基本的なポリシーをいつでも思い起こすこと ができるようにしよう。どんな色がいい? 田 川 知性の青、情熱の赤、とかね。 正 木 それじゃ少し平凡だから、高貴な知性のダークブルーと 情熱的なポリシーのカーマイン(赤味のある朱色)とか は…。 田 川 まるで赤青エンピツみたいだわ。 正 木 じゃあ、いっそのこと、そのエンピツをシンボルマーク にしちゃったらどうかな? ◆全員の巻き込み 夢 二 ちょっと待った。そこまで我々で決めるとやりすぎだ。 うちは創作者の集団なんだから、コンペでもやって決め た方がいいと思う。正木、コンペを仕切ってよ。 ◆管理と運用 田 川 このマークとかカラーって、何にでも使うんでしょ? 夢 二 一定のルールを決めてね。使い方が乱れないようにしな きゃならない。それも正木が管理してよ。 正 木 批評家をこき使ってるな。 田 川 でも、封筒とかレターヘッドとかポスターに必ずシンボ ルマークが使われてるってのは、かっこいいわね。 |
8.VI(ビジュアルアイデンティティ)
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他流試合を求む! ◆CIに基づく活動 夢 二 さて、いよいよ活動の方向性を考えるわけだけど…。 正 木 今まで話した、共同制作を強化するとか、批評機能によ る知的フィードバックを行なうとかいった基本方針を踏 まえて、具体的にどんな活動をするか、だな。 夢 二 うん。内部はそれでいいとして、対外的にどんな活動を 展開するかを考えるべきだね。 田 川 そうね。文化祭の予算獲得の時の材料になるわ。 ◆サークル交流 正 木 やっぱり、他流試合をしたいなぁ。音楽系サークルなん かと…。 田 川 天体観測サークルと組んで、プラネタリウムを取り入れ るなんていいじゃない? 夢 二 料理サークルとジョイントして、絵画と料理のステージ パフォーマンスとかね。 田 川 何よ、それ? ◆学外交流 正 木 それと、他校との交流だけど、愛好会の資格では公式交 流ができないんだよね、確か。 夢 二 だから、個人的な友好関係の延長という形でスタートさ せよう。会報を送り付けるとかさ。 正 木 会報は書店だとか通販でも売るんだよね。 |
10.活動形態の発展
☞ポイント CI導入を外部に広く認知させるための活動を |
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「VIS」創刊0号 ◆スケジュール 夢 二 とりあえず、当面は文化祭を目標に置いていこう。 正 木 シンボルマークのコンペ、いつやる? 田 川 すぐよ、すぐ。 夢 二 まぁ、例会でこの改革案が通過してからだな。でも6月 にはやらないと間に合わないな、きっと。 ◆CI導入宣言 正 木 「VIS」だけど、7月に創刊0号を出そうよ。 田 川 創刊0号? 正 木 そう。文化祭の時に発行する第1号の予告版だよ。そこ で、うちのCI導入宣言をしちゃえばいいんだ。 夢 二 なるほどなぁ。そういうやり方があったのか。 ◆ツール一新 田 川 ねぇ、文化祭までに名刺とか封筒とか全部つくっちゃい ましょ。新しいデザインの。 夢 二 金がかかりそうだなぁ。 田 川 いいじゃない。どうせバイトやるんだから。 夢 二 CIは金がかかるよなぁ…。 ◆予算計画 正 木 事前に費用を見積った方がよさそうだな。 田 川 そうね。それをもとに今から積立てをすれば、後であわ てなくてすむわ。 |
11.CI導入のスケジュール
☞ポイント 文化祭をCI導入のクライマックスとして、綿 |
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CI企画書の完成
☞ポイント CI導入という大事を成すにあたり、前段ではその理由やメリット、あり方などについて徹底した考察を行ない、 |
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