ショップ企画
英国流「休日」はいかが?

Copyright ©2015 by Sou Wada
 
◇登場人物
亜 矢 ㈱ノースバウンド ロンドン支社 商品企画担当
尾 崎 ㈱ノースバウンド 本社営業企画室 店舗担当
東 谷 フリーランス ライフスタイルデザイナー

亜矢が勤務する「㈱ノースバウンド」が「個人の休日」をキーワー
ドとして「ライフデザインショップ」を表参道に新設しようとす
る過程を通じて、ショップ企画の立て方を学びます。
この記事は、私の第一作『企画の愉しみ』(日本実業出版社)に収めた原稿です。1992年の刊行から20年以上が経過しました。
この間、ビジネスは進化し、企画も進化したはずです。しかし、人間が考える行為が中心となる企画の本質はそれほど変わっていません。
皆さまに「企画と企画書ができるまで」を感じ取っていただきたいと思い、手を加えずに掲載しました。楽しい会話や豊かな交流のなかで「企画」が育まれ、「企画書」にまとまる過程を実況中継で伝えています。
久し振りの帰国

◆実地検分
東 谷 こんにちは。
尾 崎 あら、早かったじゃない。どうだった?
東 谷 えぇ。思ったよりきれい。それに裏庭が広くて…。駅か
    らも遠くないし、とても静かなところなの。
尾 崎 人、呼べそう? 
東 谷 大丈夫だと思います。通勤の近道になっていて、朝夕そ
    こそこ人通りがあるみたいだし。
尾 崎 そう。じゃ、大丈夫ね。
◆ライフスタイルデザイナー
東 谷 こちらの方は?
尾 崎 あ、こちらはロンドン支社から来てもらったの。亜矢ち
    ゃん。商品企画が仕事で、私の高校の後輩なの。
東 谷 よろしく。
尾 崎 こちら東谷さん。フリーのライフスタイルデザイナー
    で、私とはもう2年くらい一緒に動いてもらってるの。
亜 矢 ライフスタイルデザイナーって、珍しいですね。どうい
    うお仕事なんですか?
東 谷 そうね、例えば商品の企画やインテリアのコーディネー
    トなどのプロジェクトで、使い手の立場に立ったストー
    リーづくりとか意味付けとかをやっているんです。個人
    生活を中心にね。

◆休日提案型ライフスタイルショップ企画案
1.店舗予定地の確認
 ①立地(地図、平面図添付)
  1)位 置:渋谷区神宮前*丁目*番地*号
  2)最寄駅:地下鉄半蔵門線表参道駅徒歩3分
       地下鉄千代田線明治神宮前駅徒歩5分
 ②面積
  288.5㎡(内バックヤード71㎡)
 ③使用条件
  飲食サービスは相談
 ④事前視察の感想
  1)表参道から道路1本奥に入った閑静なところだ
   が、人を誘引するには十分な条件といえる
  2)バックヤードに広いスペースがある
  3)建物はかなり古いが、丁寧に使われている
  4)通行人は散漫だが、通勤の近道にあたるらし
   く、朝夕ならびに昼休みは増加する

☞ポイント ショップの企画にあたり、もっとも基礎的なデ
      ータとなります。
水増しされた楽しみ?

◆問題提起
亜 矢 個人生活のストーリーづくりというと、具体的には?
東 谷 今までの商品や店舗っていうと、世の中の最大公約数だ
    けを取り出して企画してきたと思うんです。個人の楽し
    さや心地よさというよりは、誰にでも分かる水増しされ
    た楽しみ。そんな、公約数的な楽しみで演出されていた
    んじゃないかと…。
亜 矢 平均的に底上げされた楽しさということですね。
東 谷 そうです。分かりやすくて、そこそこヒットするだろう
    けれど、個人の個性はいつも無視されてきた。
◆基本理念
尾 崎 それは、一人ひとりが自分のなかに楽しさの基準を持っ
    ていなかった、ということにも原因があるんでしょ。
東 谷 それもある。まぁ、持てないというか…。そういうもの
    に慣れてしまって、自分らしく楽しむ方法を忘れてしま
    ったともいえるでしょうね。
亜 矢 それで、東谷さんは、誰でも楽しめるというよりは、そ
    の人がその人らしく楽しめる、そのお手伝いをしたいと
    思ったわけですね。
東 谷 ええ。生活者がもっと快適に自分らしく過ごすためのヒ
    ントや、そのための生活のストーリーを提供できたらい
    いなと…。それで、こんなビジネスを始めたんです。

2.ショップコンセプト
 ●基本理念
  「個人の楽しみ」の奪回
 ①アミューズメントやレジャーの「劇場化」戦略など
  によって「集団化」させられてきた「楽しみ」を、一
  人ひとりのペースのなかに「位置付け」し直すこと
  がこの店の目的である
 ②「個人の楽しみ」が基底にあってこそ、「公約数的
  な楽しみ」を存在させることができる。現行のア
  ミューズメントスポットやレジャー施設の多くは、
  「誰のものでもない公約数」によって演出されてい
  る。それは、生活者が自分の内に「楽しさの明確
  な基準」を持っていないためではないか
 ③我々は、それらを楽しみの「きっかけ」となる場で
  あると考える。そのなかでどのように楽しむかは、
  「個人」の技量や裁量に委ねられるべきであろう。
  そこで我々は、個人が工夫し開発できる「休日の
  楽しみ方のヒント」を、この店から発信し提供す
  るものである

自分はどうやると喜ぶか

◆楽しむ態度
亜 矢 私達は、乗せられていたってことかしら…。
東 谷 そうですね。仕掛けられたトレンドのなかで受動的に楽
    しむ、というやり方が身に付いてしまった。
亜 矢 確かにどこのアミューズメントスポットやレジャー施設
    に行っても、雑誌から切り抜いたような光景しかないで
    すよね。ワンパターンっていうのかな…。
◆コンセプト
尾 崎 どう、今の話? この店のコンセプトに置きたいと思っ
    ているの。
亜 矢 すごく賛成です。私はロンドンに住んでいるせいか、帰
    ってくると東京のつまらなさ、息苦しさみたいなものを
    感じるんです。向こうでは、みんながもともと自分勝手
    というか、「自分はどうやると喜ぶか」をよく自覚して
    いるし、そういう面をお互いに尊重するから、公約数的
    なものを嫌う傾向があります。逆に、本当に公約数的な
    ものは、スタンダードとして生き残るんですよ。公園の
    昼寝とか、パブの形式とか。
東 谷 だから、日本人はもう一度「自分はどうやると喜ぶか」
    を自覚しなきゃならない。
尾 崎 そうそう。日本人も、もう少し自分の好みにわがままに
    なった方がいい。

 ●ショップコンセプト
  ロンドン発「個人の休日」を売る
 ①個人の嗜好やスタイルを侵さない英国人の休日レ
  ジャーのあり方に学ぶ
 ②公約数化や画一化を嫌う英国式の「個人の休日」を
  ショップの存立基盤とする
 ●ネーミング
  「Twice-a-Week」(候補案)
 ①「休日」を想起させるユニークなものとする
 ②英国的な言語感覚を反映させる
 ●マーチャンダイジング
  「自分」グッズ
 ①休日のための一人用商品を基本とする
 ②「個人の休日」を基盤とした2~3人用商品も扱う

☞ポイント 問題意識から出発して、ショップコンセプトを
      導き出しています。
心と体にごほうび

◆報奨としての休日
亜 矢 それにしても東京の人はよく働きますよね。悪いことじ
    ゃないんだけど。
尾 崎 働き過ぎよね。いけないと思う。
亜 矢 私はね、決していけないことだとは思わないんです。だ
    けど、よく働いた分、何らかの形で自分にごほうびをあ
    げなきゃならないと思うんです。
尾 崎 自分にごほうびって、いいフレーズねぇ。
亜 矢 自分自身に「よく頑張って働いたね」って言い聞かせる
    ことが、自分の心とか体にとって、何よりのごほうびに
    なると思うんです。そのための現実的な機会が「休日」
    だと思うし。
◆ターゲット
尾 崎 じゃ、ターゲットは、自分にごほうびをあげなきゃいけ
    ないような人ね。
亜 矢 仕事を持っている、忙しい奥さんとか…。
尾 崎 忙しく働いている人、みんなよね。
東 谷 それに、自分だけのプライベートな時間を大切にしてい
    る人。その時間を豊かにすることに関心を持てる人。
尾 崎 そうね。「自分のことが好きな人」はこういう店を気に入
    ってくれると思う。
東 谷 美とか健康とかに関心のある人のことね。

3.ターゲット像
 ①プロフィール
  1)年齢:20代以降(30代が中心)
  2)性別:男女(特に女性)
  3)職業:幅広く(クリエイティブな職種など)
 ②イメージ
  1)「個人の休日」を愛する人
    (独身貴族を楽しむ)
  2)多忙な平日を送っている人
   (休日を効果的に楽しむ)
  3)プライベートタイムの少ない人
   (自分を取り戻す)
  4)「自分」を好きな人
   (健康、美、精神に関心がある)

☞ポイント ターゲットのイメージを、できるだけ具体的に
      描写しています。
表参道の商圏事情

◆競合の存在
尾 崎 ところで、競合なんだけど、そういうタイプの店だった
    ら「BODYSHOP」があるわね。
亜 矢 ロンドンにもありますね。
尾 崎 そっちが本店よ。
東 谷 それに「生活の木」。
尾 崎 そうそう。ハーブの専門店ね。ハーブ以外にも結構おし
    ゃれな生活用品が揃ってるわよ。
◆集まる層
亜 矢 どんな人達がそういう店に集まるのかしら。
東 谷 個性的なファッションをしている人もいるし、普通のO
    Lっぽい人も多いわね。
尾 崎 でも、イケイケギャルはさすがに少ない。流行を追いか
    けるよりは自分だけの時間を大切にしたい、という人が
    集まるわけだから。
東 谷 高感度だけど、落ち着きがある…。
◆店舗前通行客
亜 矢 確か、通勤の人達の近道でしたね。
東 谷 そう。広告とかアパレルとかに関連した会社が近くに多
    いんですよ。それから、昼間はクリエイターや学生なん
    かも通ります。青山近辺でもわりと静かなところです。
尾 崎 じゃ、ターゲットがそのまま歩いているようなものね。

4.商圏特性の把握
 ●競合店舗(ライフデザインショップの現況)
 ①「BODYSHOP」(表参道)
  1)英国から導入されたバス、トイレタリー専門店
  2)「入浴」をキーとして、健康、美、精神など、さ
   まざまな分野へアプローチする
 ②「生活の木」(表参道)
  1)「ハーブ」を積極的に取り入れた暮らしの実現を
   サポートする専門店
  2)食品、茶、ポプリ、装飾品、陶器など生活用品
   を幅広く扱う
 ●顧客特性
 ①平日
  1)昼間は、近辺のクリエイターや学生が中心
  2)夕方以降は、OLや会社員がショッピング
 ②休日
  1)休日のOLや学生が中心
  2)近所以外の高校生が原宿方面から流入

☞ポイント 東谷さんが足で集めたデータをまとめていま
      す。
競合よりも共存を

◆競合するメリット
亜 矢 この店は、「BODYSHOP」や「生活の木」と、かなり競
    合することになるのかしら。
東 谷 現在の状況では、競合っていう感じにはならないと思い
    ます。むしろ、こういう店が集まれば相乗効果が生まれ
    て、人が大勢集まりやすくなるし。
尾 崎 そうね。競合するのではなくて、共存するということ。
    ライフデザイニングの街ということで、エリアに対する
    注目度も高くなる。
◆差別化の方向性
東 谷 この店のテーマをちゃんとコミュニケートすれば、埋没
    する心配はないと思うの。
亜 矢 とすると、「個人の休日」をキーワードとした情報発信
    タイプの物販店になるわけですね。
尾 崎 でも、それだけでは何か物足りないわ。差別化という意
    味からも、まだ弱い気がする。
東 谷 そうですね…。もっと「個人の休日」そのものを楽しめ
    る場にしたいですね。
亜 矢 お客さんが「一人で楽しむために、この店に来た」なん
    てね…。
東 谷 あ。バックヤードを使いましょうよ。お店の奥に、実は
    静かなリラクゼーション空間があるなんて、素敵。

5.競合状況の分析
  (競合可能性および競合イメージ)
 ①ライフデザインショップとして
  「BODYSHOP」「生活の木」などが競合店舗に相当
  するが、表参道を「ライフデザイニングの街」と位
  置付けるためには、むしろ共存の必要性がある
 ②アミューズメントショップとして
  「休日の過ごし方の提案」という点でアミューズメ
  ントスポットやレジャー施設などと相似する部分
  もあるが、「個人の楽しみの提唱」という点でそれ
  らとは対極関係にある(使い分けの可能性)
 ③物販店として
  このエリアは、シーズもニーズも細分化されてお
  り、「どこで売るか」「どこで買うか」が重要であ
  る(ショップ自体がブランド)
                  ※この項続く

☞ポイント 競合状況を分析することで、自らのショップイ
      メージが見えてきます。
ロンドン発・生活情報

◆情報の発信
尾 崎 さて、情報発信の具体的な方法だけど…。この店のウリ
    の一つになるから重要ね。
亜 矢 うちの方で取材したものを送りましょうか?
尾 崎 え? ロンドンからわざわざ?
亜 矢 それを顧客会員向けの新聞として、東京でアレンジして
    ください。
東 谷 内容はどんなものになりそうですか?
亜 矢 アートとかファッションとか、テレビ番組ガイドとかス
    ポーツの結果とか…。
東 谷 テレビ番組?
亜 矢 そう、ロンドンの。つまり、個人が休日プランをつくる
    際に役立つ情報ソースっていうことです。
◆使える新聞
尾 崎 情報は発信しますから、後はご自由にってことね。
亜 矢 何かを与える新聞ではなくて、受け取る側が素材として
    何かに使える新聞になってほしい。
東 谷 「何かに」ってところがミソですね。
亜 矢 そう。使い方を規制しちゃいけないのよ、きっと。
東 谷 東京へ、どうやって情報を入れますか?
亜 矢 毎週東京へ定期的にFAXで送信しますけど。
尾 崎 OKよ。

6.差別化の方向性
  「商品」「情報」「コト」というトリプル価値の実現
 ①この店が持つ独創的なテーマを、商品と情報の双
  方に反映する
 ②発信情報の付加価値づくりにより、さらに優位性
  を強化する
 ③コンセプチュアルなコト価値を創造して、ショッ
  プアイデンティティを確立する
7.情報発信の具体化
 ①基本性格:「個人の休日」のための情報を、顧客会
       員向けの新聞として発行する
 ②編集方針:何かを与える新聞ではなく、何かに使
       える新聞を目指す
 ③編集内容:休日プランを構成するロンドンの情報
       ソースそのものを掲載する
 ④編集方法:ロンドン支社が取材し、週1回東京へ
       FAX送信する(東京で編集)
 ⑤配布方法:DMおよびフリーペーパー

楽しい一人遊び

◆商品構成
東 谷 商品構成は「休日のための…」っていうのをキーワード
    にすればいいのね。
亜 矢 一人のための散歩グッズとかゲームとか昼寝用品とか、
    一人の楽しさを確認できるものなら、オールジャンルO
    Kだと思います。
東 谷 それと、一人用のピクニック用品とかトラベル用品なん
    ていいかもしれない。旅行中の読書グッズとか…。
尾 崎 それと、全商品を「一人で」にしてしまうよりは、2~
    3人用のものもあっていいんじゃない?
亜 矢 そうね。人と一緒にいることで、自分自身をより一層確
    認できるということだってありますしね。
東 谷 一緒にできる一人遊びグッズとか…。
◆商品選定
尾 崎 商品も、ロンドンで選んで送ってくれるのよね。
亜 矢 えぇ。だけど、お客さんと顔を合わせているのは、お店
    の人でしょ。店長の裁量で、国内調達もOKにしといた
    方が柔軟でいいと思います。
◆売上データ
尾 崎 そうね。それと、売上データはロンドン支社を経由して
    から、東京本社に送った方がいいと思う。ロンドン支社
    の分析結果を一緒に見ることができるから。

8.マーチャンダイジング
 ●商品構成
 ①散歩グッズ(何気ない世界を楽しむための商品)
 ②一人用ゲーム(楽しい一人遊びを提唱)
 ③昼寝用品、リラクゼーション用品
 ④一人用ピクニック用品、一人用トラベル用品
 ⑤読書用品、趣味装飾品
 ⑥一緒にできる一人遊びグッズetc.
●商品仕入れ
 ①商品選定
  ロンドン支社の主導で行なうが、店長裁量で国内
  調達も一部許可される
 ②売上情報のフィードバック
  商品の売上情報は、まずロンドン支社に回送され、
  分析の後、東京本社に逐次報告される

☞ポイント 実際の商品アイテムを別紙に記載したり、イ
      メージボードを作成すると分かりやすくなり
      ます。
四季の休日を演出する

◆運営内容
東 谷 この店だけのオリジナルブランドがほしいですね。
尾 崎 やりましょうよ。本社で協力すると思うから。
東 谷 ツアーのような独自のソフト商品も企画したいわ。それ
    と、ワーカーのための「アフター5セール」なんかも。
亜 矢 そうね。一番休まなきゃいけない人達ですもの。
尾 崎 ところで、バックヤードはどんな空間?
東 谷 のんびりとくつろげるティコーナーがあって、そこで実
    際に商品を使ったり、商品と遊んでもらう。
亜 矢 昼寝したり、読書したり、ゲームを楽しんだり…。
尾 崎 「個人の休日」を体感できる場ということね。
◆店舗演出
東 谷 演出なんだけど、季節によって変えてみましょうよ。四
    季を楽しむ暇のない人達のために。
尾 崎 そうね。イギリスのイメージでいきましょう。
亜 矢 春は一人で行くピクニックって感じかしら。夏は海辺の
    公園でのんびりと昼寝。秋は缶ビールを飲みながら小高
    い丘で読書? 冬は雪景色の楽しい散歩道かしら。
尾 崎 寒いわよ。
亜 矢 そういうポエムのような感じで、ってことですよ。
東 谷 店舗演出の雰囲気をそのままバックヤードにも持ち込む
    といいですね。

9.運営内容
 ①輸入商品販売(ロンドン発・休日グッズ)
 ②オリジナル商品販売(ショップブランド創設)
 ③オリジナルソフト商品販売(ショップコンセプト
  を反映したツアーなどの企画)
 ④ティコーナー(一人で楽しむ休日空間)
 ⑤アフター5セール(ワーカーへアピール)
10.店舗演出
 ①演出の基本
  四季の休日を演出する(ティコーナーと連動)
  1)春:一人で行くピクニック
  2)夏:海辺の公園でのんびりと昼寝
  3)秋:缶ビールを飲みながら小高い丘で読書
  4)冬:雪景色の楽しい散歩道
 ②演出の留意点
  詩的な感覚を盛り込んだ控えめな演出とし、コン
  セプトや刺激の押売りをしない

☞ポイント 演出イメージは、スケッチを添えると分かりや
      すくなります。
イメージを大切に

◆広告出稿
尾 崎 広告なんだけど、ファッション誌とアート誌に限定しよ
    うと思うの。
亜 矢 どういうことですか?
尾 崎 お客さんの質というかタイプというか、この店のコンセ
    プトをちゃんと理解してくれる人だけに来てほしいの。
    それに、この辺で一番読まれているのは、一般誌を除く
    とファッション誌かアート誌だと思うのよ。
東 谷 イメージづくりという面からも、メディアを絞り込んだ
    方がいいと思います。お客さんの口コミで徐々に広がっ
    ていくのが理想的ですね。
◆パブリシティ
亜 矢 で、取材とかも一切受けない?
尾 崎 ま、センスのある情報誌とか、ちょっとした深夜のテレ
    ビ番組とかなら受けるつもり。
亜 矢 じゃ、新聞とか一般誌に普通の広告は出さないの?
尾 崎 ニュースリリースをつくって、オープン前に郵送するぐ
    らいのことはするわ。
◆開店プロモーション
東 谷 ところで、開店記念の客寄せはするのかしら?
尾 崎 さっきのワーカー向けセールをやりましょうよ。開店1
    カ月間は、昼休みと夕方5時以降の2本立てで…。

11.PR計画
 ①広告展開
  近隣エリアに影響力のあるファッション誌、アー
  ト誌などを中心に広告を行なう
 ②パブリシティ展開
  雑誌とテレビの取材は慎重に受ける(コンセプト
  に共鳴してくれる大人向けの媒体と番組に限定)
   ※オープン前にマスコミへリリースを郵送
 ③開店プロモーション展開
  オープン1カ月間は、平日の昼休みと夕方に「ワ
  ーカーズセール」を実施する
12.人員計画
 ①店長と補佐役は本社から出向する
 ②ロンドン支社からは交替で連絡員を赴かせる
 ③クルーなどの人員計画は後日検討する

☞ポイント パブリシティの展開に慎重さが伺えます。
ショップ企画書の完成

◆休日提案型ライフスタイルショップ企画案

1.店舗予定地
  ※紙幅の都合により省略

2.ショップコンセプト
 ●基本理念
  「個人の楽しみ」の奪回
 ●ショップコンセプト
  ロンドン発「個人の休日」を売る
 ①個人の嗜好やスタイルを侵さない英国人の休日レジャーのあり方に学ぶ
 ②公約数化や画一化を嫌う英国式の「個人の休日」をショップの存立基盤とする
 ●ネーミング
  「Twice-a-Week」(候補案)
 ①「休日」を想起させるユニークなものとする
 ②英国的な言語感覚を反映させる
 ●マーチャンダイジング
  「自分」グッズ
 ①休日のための一人用商品を基本とする
 ②「個人の休日」を基盤とした2~3人用商品も扱う

3.ターゲット
 ①プロフィール
  1)年齢:20代以降(30代が中心)
  2)性別:男女(特に女性)
  3)職業:幅広く(クリエイティブな職種など)
 ②イメージ
  1)「個人の休日」を愛する人
  2)多忙な平日を送っている人
  3)プライベートタイムの少ない人
  4)「自分」を好きな人

4.商圏特性
 ●競合店舗(ライフデザインショップの現況)
  ※紙幅の都合により省略
 ●顧客特性
 ①平日
  1)昼間は、近辺のクリエイターや学生が中心
  2)夕方以降は、OLや会社員がショッピング
 ②休日
  1)休日のOLや学生が中心
  2)近所以外の高校生が原宿方面から流入

5.競合分析
 ①ライフデザインショップとして
  表参道を「ライフデザイニングの街」として位置付けるために、競合店舗と共存する必要  がある
 ②アミューズメントショップとして
  「休日の過ごし方の提案」という点で既存施設と相似する部分もあるが、「個人の楽しみの提
  唱」という点では対極関係にある(使い分けの可能性)
 ③物販店として
  ニーズが細分化されており、「どこで買うか」が重要である(ショップ自体がブランド)

6.差別化の方向性
  「商品」「情報」「コト」というトリプル価値の実現
 ①この店が持つ独創的なテーマを、商品と情報の双方に反映する
 ②発信情報の付加価値づくりにより、さらに優位性を強化する
 ③コンセプチュアルなコト価値を創造して、ショップアイデンティティを確立する

7.情報発信
 ①基本性格:「個人の休日」のための情報を、顧客会員向けの新聞として発行する
 ②編集方針:何かを与える新聞ではなく、何かに使える新聞を目指す
 ③編集内容:休日プランを構成するロンドンの情報ソースそのものを掲載する
 ④編集方法:ロンドン支社が取材し、週1回東京へFAX送信する(東京で編集)
 ⑤配布方法:DMおよびフリーペーパー

8.マーチャンダイジング
 ●商品構成
 ①散歩グッズ(何気ない世界を楽しむための商品)
 ②一人用ゲーム(楽しい一人遊びを提唱)
 ③昼寝用品、リラクゼーション用品
 ④一人用ピクニック用品、一人用トラベル用品
 ⑤読書用品、趣味装飾品etc.
 ●商品仕入れ
 ①商品選定
  ロンドン支社の主導で行なうが、店長裁量で国内調達も一部許可される
 ②売上情報のフィードバック
  商品の売上情報は、まずロンドン支社に回送され、分析の後、東京本社に逐次報告される

9.運営内容
 ①輸入商品販売(ロンドン発・休日グッズ)
 ②オリジナル商品販売(ショップブランド創設)
 ③オリジナルソフト商品販売(ツアーなどの企画)
 ④ティコーナー(一人で楽しむ休日空間)
 ⑤アフター5セール(ワーカーへアピール)

10.店舗演出
 ①演出の基本
  四季の休日を演出する(ティコーナーと連動)
  1)春:一人で行くピクニック
  2)夏:海辺の公園でのんびりと昼寝
  3)秋:缶ビールを飲みながら小高い丘で読書
  4)冬:雪景色の楽しい散歩道
 ②演出の留意点
  詩的な感覚を盛り込んだ控えめな演出とし、コンセプトや刺激の押売りをしない

11.PR計画
 ①広告展開
  近隣エリアに影響力のあるファッション誌、アート誌などを中心に広告を行な う
 ②パブリシティ展開
  雑誌とテレビの取材は特に慎重に受ける
 ③開店プロモーション展開
  オープン1カ月間は、平日の昼休みと夕方に「ワーカーズセール」を実施する

12.人員計画
 ①店長と補佐役は本社から出向する
 ②ロンドン支社からは交替で連絡員を赴かせる
 ③クルーなどの人員計画は後日検討する

☞ポイント 独創性のあるコンセプトを樹立し、それに沿った差別化を徹底的に追求しています。

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